どうもこんにちは、Surface FANのタカフです。
2022年10月に新作SurfaceのSurface Pro 9が発表されましたね!
本作では前モデルSurface Pro 8から引き継ぐIntel系CPUと、Surfaceの中では異端だったArm系CPUのSurface Pro Xが統合されて、Intel版とArm版(5Gモデル)が選べる形となりましたね。
本記事ではそのArm系CPUの Surface Pro 9 5Gモデルについての実機レビューとして解説していきます。
Surface Pro 9 5Gモデルは上記のような疑問がわいてくるところですが、そんな疑問に対してSurface専門家のタカフが細かくレビューした内容となっています。
最後まで読むとSurface Pro 9 5GモデルがどういうPCなのかがよくわかる事でしょう😁
それでは本編です👏(パチパチ)
※本実機はMicrosoft様からお借りしたものです。もらっているわけではないので忖度無しでレビューしていきます。
Surface Pro 9 5Gモデルとはどんなデバイス?
Surface Pro 9(左)と僕のメインPCのSurface Pro 8(右)です。
Surface Pro 9 5Gモデルを初心者に方にもわかりやすいように一言で言うと、「スマホで使われているCPUを搭載したSurface Pro」です。
一般的なパソコンには「インテルハイッテル」と言われるように大体はIntel CPUが入っているのですが(x86,x64アーキテクチャやAMD互換の話は一旦ここではナシ)、
ここ最近パソコンの世界にもスマホのCPUが使われるようになってきたのです。
何故そんな事をするのか?その最大のメリットは省エネ性と常時ネット回線接続ですね。
スマホは1日中使っていてもバッテリーは結構持ちますし、ずっとネットにつながってて色々な事ができますよね。
そんなメリットをパソコンでも享受しつつ、今までのパソコンのCPUに匹敵する程の性能も持ち合わせるようになってきたのでパソコンの世界でも使われ始めたのです。
AppleのMacもIntel CPUからArmアーキテクチャであるM1チップ・M2チップに移行しつつあり、これはPCのCPUもArmの時代が来ている事も確かだと思います。
Microsoftとしても自社製品としてArm系Surface Pro をリリースすることでこれからArm系Windows PCにも力を入れていくという意気込みすら感じられるわけです。
では実際に使い勝手としてどうなのよ?というところをこれから解説していきます。
Surface Pro 9 5Gモデルの良いところ
それではSurface Pro 9 5Gモデルの実際に良い所はどこなのか、を解説していきます。
Windows 11により64bitアプリも動くようになった
64ビットアプリが、ちゃんと動く!!
これは本当に良かったですね!
Arm系Surfaceとしては2020年に発売されたSurface Pro Xというデバイスあったのですが、この頃のWindows On ArmのPCとして最も残念だったのが「64ビットアプリが動かない事」だったのです😇
今の時代ほとんどのWindowsアプリは64ビットで開発されたものなので結構なアプリ数が動かなかったわけで、それもあってあまり流行らなかったと言えます。
Surface Pro Xはモノは良かったんですけどね。まだ時代が追いついていなかった。(いやWindowsが追いついていなかった😂。どちらもMicrosoftの製品なのに。)
しかしその弱点がWindows 11では克服され、Arm CPU上でも64ビットアプリがエミュレーションによって動くようになりました。
僕がもっているPHPStormというWeb開発するアプリも64ビットアプリですがこのように動いています。
これで一安心🤔?
そして他にも64ビットアプリのものをインストールするべく探してみましたが、実は意外と世間ではArm版アプリがあったりしました。いわゆるネイティブアプリってやつですね。
例えばテキストエディタで有名なVisual Studio Codeは、しっかりとArm版アプリが用意されていました。
時代はちょっとずつWindows On Armに対応してきているのかもしれないですね😁
simカードを差せば常時ネット接続
Surface Pro 9 5G対応モデルはその名の通り携帯回線の5Gにつながるデバイスなので、simカードをさせばそれだけでネット接続することが出来ます。
ahamoのsimカードを挿している様子。上は交換可能なSSDです。
せっかくなので僕の持っているahamoのsimカードをさして携帯回線につながるか試してみました。
上記の写真の通りsimカードをさしたらすぐネットにつながるかと思ったらAPN設定が必要でした。
一応その接続方法をここに記します。
設定アプリの「ネットワークとインターネット > 携帯電話 > オペレーター設定」の画面で「APNを追加」をクリックします。
APNの設定で、プロファイル名は適当に「ドコモ」と入力してAPNのところに「spmode.ne.jp
」と入力して保存します。
これで無事docomo回線を通じてインターネットに接続することが出来ました。
さすがdocomo回線のahamoなので速度も出ていますね。
携帯回線で230Mbpsも出るなんて、いい時代になったもんだ。
他にもeSIMにも対応しているので、SIMカード差さずともSurface Pro 9から直接回線事業者と契約できます。
なぜか主要な携帯会社としてはauしかなかったです。
因みに僕の方で再起動後にどのくらいの早さで携帯回線でネットにつながるかためしたところ、起動したらすぐにアンテナが立っていたのでChromeを開いて普通にネット閲覧出来ました。
その使い勝手はまるでスマホの様でしたね。
この早さでネット接続出来るなら外でネット接続する人にはめちゃくちゃ便利でしょうね。いちいちテザリングやポケットWi-Fiにつなぐ手間が全くありませんから👍
ファンレス設計なのでPCから音がしない
これもスマホと同じArm CPUであるメリットですよね。
このSurface Pro 9 5Gモデルのレビュー中、PCデバイスとしてはよくあるファン音が全くありませんでした。
なのでめちゃくちゃ静か!
それもそのはず、ご覧の通りこのSurface Pro 9 5Gモデルの側面には通気孔のようなものは存在せず完全ファンレス設計だからなのです。
それにしてもかっこいい筐体。PCとは思えん。
僕の持っているSurface Pro 8と比べてみると、通気孔の違いがわかります。Surface Pro 8の場合は負荷をかけるとここからファン音がします。
Surface Pro 9(左)とSurface Pro 8(右)
これはまさしくスマホやタブレットのような感じに近いですよね。スマホやタブレットも使用中にファン音がすることはなく快適に使えます。
なのでSurface Pro 9は図書館や静かな場所で静かに使うパソコンとしても優れていますが、タブレットとして使う時もファン音がしないで快適に使えそうなのがいいですよね。
ただ、ファン音がしない分本体を冷やすのは不得意なようで、結構負荷の重い処理をやらせるとわりと熱くなって動作がもっさりすることもありました。
いくら省エネといってもマルチタスク処理のパソコンとなると常にファンレスは若干厳しい印象もありました。
ニューラルプロセッシングユニット(NPU)でAI処理
Surface Pro 9 5Gモデルでは高級スマホではよくあるAI処理ができます。Arm系CPU得意のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)でリアルタイムに動的処理をこなせます。
とは言っても主にはビデオ通話の時の機能ですね。
ビデオ通話中に、
- 顔をちょっと動かしても自動で顔が中央にしてくれるセンターフレーム機能
- 画面を見ながらビデオ通話していても視線はカメラに向けてくれるアイコンタクト機能
- 背景を映したくない時にぼかしを入れてくれる背景ぼかし機能
- 自分の声以外のノイズ音をかきけしてくれる音声フォーカス機能
といったことが出来ます。
まあ便利っちゃ便利なんでしょうが、そんなに必要なのかと言われると僕的にはそこまで欲しい機能でもないかなと。
特に音声フォーカス機能は本体内蔵マイクでしか使えない機能なので、例えばカフェなどの雑音が入る場所ではイヤホンマイクつけてビデオ会議したりするでしょうから使える場所も結構限られている気もします。
※但しSurface Pro 9はイヤホンジャック廃止になったのでワイヤレスイヤホンか変換ジャックが必要という。。。
Surface Pro 9 5Gモデルの悪いところ
動かないアプリもある
Arm CPUでも64ビットアプリが動くようになったWindows 11ですが、動かないアプリもあります。
シンプルな64ビットアプリだけなら動くのですが、GPUを使うアプリや、システムに直結するアプリがだめなようです。
具体的には以下のアプリです。
Adobe Photoshop
うーん、これは残念でしたね。一応Adobe Creative CloudからはPhotoshopがインストールできるようになっていますが、僕が試したところインストールに失敗してだめでした。
そして変なエラーダイアログも頻出して、まだAdobe側としても準備が整っていないのかなといった印象です。
まぁArm系CPUのWindows PCのシェアって全体の1%にも満たないほど少数なのでアプリベンダーとしてもあまり対応する意味がなかったりするんでしょう😓
Adobe PremierePro
Adobe PhotoshopはまだインストールできるアプリとしてAdobe Creative Cloud上に並んでいましたが(インストール失敗したけど)、動画編集アプリのAdobe Premiere Proは並んでおらずそもそもインストール出来ません。
これは僕の想像ですが、動画編集では動画書き出し作業(エンコード作業)などがあるので、エミュレートで動かしている64ビットアプリからソフトウェアエンコードはCPU的に実際きついだろうし、ハードウェアエンコードをするにしてもCPUエミュレート動作からGPUに直結して処理するのは難しいのかな、と思いました。
なんにせよAdobe側があえてインストールできないようにしているのは事実ですね。
ATOK
ATOKという日本語入力システムですが、日本語入力のシステムに直結するからなのかインストール出来てもうまく動作しませんでした。
具体的には、インストールはできてMicrosoft IMEからATOK IMEに変更はできるけど日本語入力ができなかったのです。
タスクバーにIMEが無効ですと出ていました。
まあMicrosoft IMEも最近はかなり優秀になったのでこれは別になくても構わないアプリですけどね。
8GBメモリ/256GBストレージしか選べない
これは日本のMicrosof Storeに限った話なのですが、Surface Pro 9 5Gモデルは8GBメモリ/256GBストレージのものしか選べません。
多くの作業を同時にしたりChromeブラウザのタブをたくさん開く場合は、メモリは16GBがあった方が良いですがその選択肢がないんですね。
ただし法人モデルだと今僕が見ている限りではメモリ16GB構成がグレーアウト状態だけど選択肢としては存在します。
確かにSurface Pro 9 5Gモデルの特徴からがっつりパソコンを使っての作業をするわけでもなさそうなので、メモリ8GBでも十分と言えば十分だったりしますね。
イヤホンジャックが廃止
Surface Pro 9では通常モデルと5Gモデル共に、イヤホンジャックが廃止となりました。
おおふ。これは悲し。
これは僕的にはけっこう痛かったです😓
イヤホンジャックは安定してビデオ通話する時や、動画編集する時などに多用するんですよね。
その理由は有線イヤホンじゃないと音ズレが発生したりするからです。安物のワイヤレスイヤホンは特に音ズレが顕著なのです。
Surface Pro 9 5Gモデルのスペック表
Surface Pro 9 5Gモデルのスペック表がこちらです。Surface Pro 9 Intel版とSurface Pro 8とも比較できる表にしてみました。
項目 | Surface Pro 9 5G Arm版 | Surface Pro 9 Intel版 | Surface Pro 8 |
発表日(日本時間) | 2022/10/12 | 2022/10/12 | 2021/09/23 |
発売日(日本時間) | 2022/11/29 | 2022/11/29 | 2021/11/01 |
本体サイズ(mm) | 287 x 209 x 9.3 | 287 x 209 x 9.3 | 287 x 208 x 9.3 |
液晶サイズ | 13インチ | 13インチ | 13インチ |
液晶解像度 | 2880 x 1920 | 2880 x 1920 | 2880 x 1920 |
PPI(Pixels Per Inch) | 267 PPI | 267 PPI | 267 PPI |
120Hz リフレッシュレート |
◯ | ◯ | ◯ |
ディスプレイ縦横比 | 3:2 | 3:2 | 3:2 |
コントラスト比 | 1200:1 | 1200:1 | |
Surfaceペン対応 | ◯ | ◯ | ◯ |
タッチパネル | 10点マルチタッチ | 10点マルチタッチ | 10点マルチタッチ |
GPUインク アクセラレータ |
◯ | ◯ | ◯ |
Dolby Vision® 対応 | ◯ | ◯(Dolby Vision IQ) | ◯ |
Gorilla® Glass | Gorilla® Glass 5 | Gorilla® Glass 5 | |
メモリ | 8GB / 16GB (LPDDR4x RAM) |
8GB / 16GB / 32GB (LPDDR5x RAM) |
8GB / 16GB / 32GB (LPDDR4x RAM) |
CPU | Microsoft SQ3 | 12th Intel Core i5-1235U 12th Intel Core i7-1255U |
11th Intel Core i5-1135G7 11th Intel Core i7-1185G7 |
バッテリー駆動時間 | 最大19時間 | 最大15.5時間 | 最大16時間 |
バッテリー容量 | 公称:47.7(WH) 最小:46.5(WH) |
公称:47.7(WH) 最小:46.5(WH) |
公称:51.5(WH) 最小:50.2(WH) |
グラフィックス | Microsoft SQ® 3 Adreno™ 8CX Gen 3 |
Intel® Iris® Xe グラフィックス |
Intel® Iris® Xe グラフィックス |
ストレージ | 128GB / 256GB / 512GB | 128GB / 256GB / 512GB / 1TB | 128GB / 256GB / 512GB / 1TB |
ストレージ交換 | ◯ | ◯ | ◯(128/256のみ) |
外部端子 | USB-C x 2 (USB3.2) Surface Connect ポート x 1 Surface タイプカバーポート x 1 nano SIM x 1 |
USB-C x 2 (USB4.0 / Thunderbolt 4) Surface Connect ポート x 1 Surface タイプカバーポート x 1 |
USB-C x 2 (USB4.0 / Thunderbolt 4) 3.5 mm ヘッドフォンジャック Surface Connect ポート x 1 Surface タイプカバーポート x 1 Surface Dial互換性 |
Windows Hello 顔認証 |
◯ | ◯ | ◯ |
Windows Hello 指紋認証 |
◯(要専用タイプカバー) | ◯(要専用タイプカバー) | ◯(要専用タイプカバー) |
フロントカメラ | 1080p フルHD | 1080p フルHD | 5.0MP(1080p フルHD) |
リアカメラ | 10.0MPオートフォーカス 機能付きリアカメラ (1080p HD および 4k ビデオ) |
10.0MPオートフォーカス 機能付きリアカメラ (1080p HD および 4k ビデオ) |
10.0MPオートフォーカス 機能付きリアカメラ (1080p HD および 4k ビデオ) |
マイク | Dual far-field スタジオ マイク | Dual far-field スタジオ マイク | Dual far-field スタジオ マイク |
スピーカー | Dolby Atmos® オーディオ搭載 2W ステレオ スピーカー |
Dolby Atmos® オーディオ搭載 2W ステレオ スピーカー |
Dolby Atmos® オーディオ搭載 2W ステレオ スピーカー |
OS | Windows 11 Home ARM | Windows 11 Home | Windows 11 Home |
Office | Office Home & Business 2021 | Office Home & Business 2021 | Office Home & Business 2021 |
ワイヤレス機能 | Wi-Fi 6E: 802.11ax Bluetooth 5.1 NanoSIMおよびeSIM対応 5G対応 |
Wi-Fi 6E: 802.11ax Bluetooth 5.1 |
Wi-Fi 6: 802.11ax Bluetooth 5.1 |
センサー | 加速度計 ジャイロスコープ 磁力計 光センサー(明るさ、色) |
加速度計 ジャイロスコープ 磁力計 光センサー(明るさ、色) |
加速度計 ジャイロスコープ 磁力計 光センサー(明るさ、色) |
ケース素材 | アルミニウム | アルミニウム | アルミニウム |
カラー | プラチナ グラファイト サファイア フォレスト |
プラチナ グラファイト サファイア フォレスト |
プラチナ グラファイト |
同梱物 | 電源アダプター クイックスタートガイド 安全性および保証に関する書類 |
電源アダプター クイックスタートガイド 安全性および保証に関する書類 |
電源アダプター クイック スタート ガイド 安全性および保証に関する書類 |
保証 | 1年間のハードウェア保証 | 1年間のハードウェア保証 | 1年間のハードウェア保証 |
重量 | 本体:879g タイプカバー:280g 合計:1159g |
本体:878g タイプカバー:280g 合計:1158g |
本体:889g タイプカバー:280g 合計:1169g |
重要なのは以下のポイントでしょう。
- 前モデルSurface Pro 8に比べてサイズや重量はほとんど変ってない。
- バッテリー時間が最大19時間なのでArm CPUの恩恵を受けている。
- Surface Pro 9 Intel版だとメモリが新規格のLPDDR5だが、Surface Pro 9 5GモデルだとSurface Pro 8と同様のLPDDR4xのまま。ただ十分な速度は出る。
- Surface Pro 9 5GはDolby Vision IQには対応していないので、映画楽しむならIntel版が良き。
Surface Pro 9の価格表
Surface Pro 9 5Gモデルの価格表です。といっても1構成しかないですのでIntel版と並べてみました。
デバイス | 液晶サイズ | CPU | メモリ | ストレージ | 標準価格 |
---|---|---|---|---|---|
Surface Pro 9 | 13インチ | Microsoft SQ3 | 8GB | 256GB | 216,480円 |
Surface Pro 9 | 13インチ | Intel Core i5 | 8GB | 128GB | 162,580円 |
Surface Pro 9 | 13インチ | Intel Core i5 | 8GB | 256GB | 174,680円 |
Surface Pro 9 | 13インチ | Intel Core i5 | 16GB | 256GB | 219,780円 |
Surface Pro 9 | 13インチ | Intel Core i7 | 16GB | 256GB | 248,380円 |
Surface Pro 9 | 13インチ | Intel Core i7 | 16GB | 512GB | 291,280円 |
Surface Pro 9 | 13インチ | Intel Core i7 | 16GB | 1TB | 334,180円 |
Surface Pro 9 | 13インチ | Intel Core i7 | 32GB | 1TB | 391,380円 |
Surface Pro 9 5Gモデルはメモリ8GB / ストレージ256GBで216,480円なので、Intel版のメモリ8GB / ストレージ256GBの174,680円と比べると割高ですね。
外でもすぐにネットつながる・ファンレスの快適性、をこの価格差とどう天秤にかけるか、が5Gモデルを選ぶコツです。
Surface Pro 9 5Gモデルのベンチマーク結果
Surface Pro 9 5Gの各種ベンチマークも計測してみました。
ただ、基本的にベンチマークアプリはIntel CPU(x64アーキテクチャ)で動かすものであり、Surface Pro 9 5GでそれをやるとArm CPU上でエミュレート動作させてるので、オーバーヘッドがあり処理が遅いことは承知の上となります。
CPU性能:CineBench
CPUのシングルタスク処理、マルチタスク処理を計測するので有名なCineBenchです。
下記画像のように「8C@1.44GHz Virtual CPU」として認識されているようです。Arm CPU上の仮想CPUで動作しているからでしょうね。
機種名 | シングルスコア | マルチスコア |
---|---|---|
Surface Pro 8 (第11世代 Intel Core i7 – 1185G7) |
1301 | 4913 |
Surface Pro 9 5Gモデル (Microsoft SQ3) |
576 | 2960 |
結果はやはりいいパフォーマンスは出ずといったところで、ネイティブ動作しているIntel CPUのSurface Pro 8の過去のスコアと比べるとシングルスコアでは半分にも満たないですね。
ただしSurface Pro 9 5GのMicrosoft SQ3は8コアというコアの多さから、マルチスコアだと比較的伸びています。
僕的にはエミュレート動作にしてはまぁ結構動いているといった印象です。
GPU性能:DQX
次にゲーム性能やグラフィック性能を計測するDQXです。
Surface Pro 8 | Surface Pro 9 5G |
こちらもAdobe Premiere Proと同様にGPUをうまく使えないんでしょうね。スコアは伸びずです。
機種名 | スコア | 評価 |
---|---|---|
Surface Pro 8 (Intel Xeグラフィックス) |
11713 | すごく快適 |
Surface Pro 9 5Gモデル (Microsoft SQ3 Adreno™ 8CX Gen 3) |
3733 | 普通 |
Surface Pro 9 5Gはゲームをやるためのデバイスではないと言えるので、このスコアでも特に落胆はしないです。
ストレージ性能:CrystalDiskMark
続いてストレージ性能です。ストレージ速度を計測するのにはおなじみのCrystalDiskMarkを使って測定しました。
Surface Pro 8 | Surface Pro 9 5G |
ストレージ速度は良くもなく悪くもないといったところでしょうか。Surface Pro 8と同等の速度が出ているので十分かと思います。
外部モニターにはつながる?
Surface Pro 9 5Gモデルでこんなことやる人いないと思うけど一応検証です(笑)
僕の持っている2台の4Kモニターに出力できるかどうかを検証してみます。
USB-CハブでHDMI 1枚出力
BelkinのUSB-Cハブを使って1枚の外部モニターに出力してみました。余裕で映りますね。
USB-Cケーブルで直差し2枚出力
こちらも大丈夫そうです。Surface Pro Xの頃から大丈夫でしたのでそりゃそうでしょう。
Surface Dock 2 経由で2枚出力
Surface専用のSurafce Dock 2です。専用アクセサリだけあってちゃんと2枚出力出来ています。
Thunderbolt 4 ドック経由で2枚出力
最近購入したAnkerのThunderbolt 4 ドックです。
こちらはだめでした。1枚しか出力しません。Surface Pro 9の通常モデルはThunderbolt 4対応していますが、5GモデルはThunderbolt 4に対応していないのでそりゃそうでしょう。
Surface Pro 9 5Gモデルを買うならこんな人
ここまで読んできてSurface Pro 9 5GモデルがどんなPCなのかはおわかりいただけたかと思います。
さて、このSurface Pro 9 5Gモデルはどんな人におすすめなのか。ズバリ、こんな人です!
『PCを外出先で使うことが多く、使用用途が資料確認したりWebベースでの作業がメインな人』
これに尽きると思います。
Surface Pro 9 5GモデルはArm系CPUにより動かないアプリもまだ少し見受けられますし、PCでプログラミング・イラスト・動画編集などの何かを作るとかには向いていないPCです。
ですが、PCを外で使う人にとってはテザリングやポケットWiFiを使うことなくインターネット常時接続は魅力的ですし、ブラウザベースで仕事するなら上記デメリットはあまり関係ないと言えます。
また、たまにタブレットとして使う時にファンレス構造も活きてくるでしょう。
というわけで、外回りの多いビジネスマンに向いているPCと言えますね。
まとめ
以上、Surface Pro 9 5Gモデルのレビューでした。
本記事の内容をざっくりまとめると、
- Arm CPUでも64ビットアプリが動くようになったので大分使えるPCにはなった
- 5Gで常時ネット接続・ファンレス構造・長時間バッテリーは外で使う人には超魅力的
- Adobe系アプリが動かなかったり負荷のかかる作業は不得意ないのでクリエイター系には向いてない
といった内容でした。
というわけでOfficeソフトとかブラウザベースの仕事をする営業系ビジネスマンにはうってつけのSurfaceという結論です。
現場からは以上です!